
Layn新体制を語る(美神ナオカ)
美神ナオカ
誰かと力を合わせて、
自分の“居場所”を勝ち取っていく感じがして。
私、きっと昔からそういう物語に惹かれてきたんだと思います
──美神(ヴィ―ナス)という名前が特徴的ですが、由来はなんですか?
「“美神”と書いて、“ヴィーナス”と読みます。新しく名前を考えたときに、ありふれた苗字がどうしても自分にしっくりこなくて。だったら、思い切ってみようと思って。“美しい人でありたい、美しい感性を届けられる存在でありたい”という願いを込めて、“美神”という文字を選びました。それは同時に、自分への戒めでもあります。まだまだ理想には遠いですが、伝えることと、魅せること。その両方に誠実でありたいんです。見た目だけでない“美しさ”を追求して、誰かの心に伝えられるような、そんな存在を目指しています。」
──Laynに加入してまだ2ヵ月程度ですが、新しくLaynとしてスタートを切って、今どんな気持ちですか?
「はい、そうですね。加入してすぐに、メンバーの入れ替わりがあると聞いていたので、ずっと“本当の始まり”を待っていた感覚がありました。ようやく体制が整って、やっと“ここからだ”って胸を張って言える…そんな気持ちです。Laynとしての本当の第1歩を、今やっと踏み出せる気がしています。」
──そのスタートとなったLaynの5月3日(土)ワンマンライブ「documentary 〝adolescence″」。グループが新体制となって、今期待していること、ワクワクしてること、ありますか?
「不思議なくらい、不安はないんです。あるのは、“ここから何かが始まる”っていう静かな確信だけで。私、昔から少年漫画の世界に心を重ねてきたタイプで。友情、努力がちゃんと報われて、仲間と共に強くなって勝利を目指すあの世界観がずっと好きでした。アイドルも、誰か一人じゃなくて、全員でひとつの物語を紡いでいくものだと思っていて。今のLaynは、その物語の新しい章の始まりのような気がしているんです。新しい仲間が加わって、パズルのピースが綺麗に揃ったような感覚。だからこそ、これからどんな景色を一緒に見られるのか、毎日が楽しみで仕方ありません。」
──少年漫画が好きなんですか?
「はい。ドラゴンボール、チェンソーマンや、『龍が如く』のようなゲームなど…色々な物語から、たくさんのことを教わってきました。小さい頃から、少女漫画も少年漫画も、境界線なく心を惹かれてきた気がします。作品によっては、ただの娯楽ではなくて、人生の分岐点のように影響を受けたものもあって…まるで自分の背中を押してくれたみたいに感じる瞬間もありました。だからこそ、私も誰かの心に、ふとした言葉や表で“光”を届けられる存在になれたらいいなって。そんなふうに憧れています。」
──とくに印象的なアニメ、ゲームってありますか?
「ある日ふと観た『アイドルマスター』が、今でも忘れられなくて。スポットライトの裏で、葛藤したり、自信をなくしたりしながらも、ひとつずつ自分の武器を手にして、仲間と一緒にステージへ向かう姿が描かれていて…胸がぎゅっとなったんです。どこか少年漫画の世界とも重なって見えました。誰かと力を合わせて、自分の“居場所”を勝ち取っていく感じがして。
私、きっと昔からそういう物語に惹かれてきたんだと思います。夢に向かってもがく姿が、美しくて、愛しくて。だからこそ、アイドルという道がすごく自然に心に馴染んだのかもしれません。」
──Laynに加入してそう思える瞬間ってありましたか?
「ライブのたびに、“これは戦いだ”って思っています。ステージに立つ瞬間から、もう心は戦闘モードで。グループの魅力や表現を全力で叩き込んで、それに応えてお客さんの熱が上がるたび、まるで“スコア”が上がっていくような感覚があるんです(笑)。他のメンバーが素晴らしいパフォーマンスを見せてくれると、まるで“バフ”がかかったみたいに、自分のボルテージも自然と高まっていって。ハプニングが起きても、誰かがすぐにフォローしてくれて、そこにちゃんと“仲間”がいることを実感します。そうやって、全員で一体感をつくりあげていくステージは、やっぱり“生物(なまもの)”だなって思ってそのたびにテンションが一気に跳ね上がるんです。
最終的には、観てくださる方を圧倒できるような、強くて美しい“戦闘”を届けて全てのライブで勝利したい。そんな気持ちで、日々、自分を磨いています。」
──これからのLaynに期待していることは?
「ようやく体制が整って、“ここからが本当のスタート”っていう空気を感じています。Laynという居場所ができてから、自分は何を武器にしてこのチームに貢献できるのか、ずっと考えるようになりました。私のファンの方は、言葉や写真、動画といった“感性のアウトプット”を楽しみにしてくれている方が多くて。それって、きっと私にしか持てない武器だと思うんです。Laynの楽曲や歌詞には、人生の一部を変えてしまうような、強いメッセージが宿っていて。そういう世界観に、私はすごく惹かれているし、自分がやりたいこととも深くつながっていると感じています。だからこそ、それを“伝える力”をもっと磨いて、表現者として成長したい。MVや日々の発信、ひとつひとつのコンテンツを丁寧に積み重ねながら、Laynの世界観をもっと確かなものにしていきたいです。その過程で、もっと良いものが生まれていくことを願っています。」
──Laynってどんなアイドルですか?
「一言では言い表せないくらい、奥行きのあるグループです。みんなそれぞれに強みがあって、歌だったり、ダンスだったり、表情ひとつだったり…。ステージに立つと、自然とその人の“色”が浮かび上がってくるんです。最初にLaynを見たとき、すごく完成されたチームに感じて、“ここに自分が入って大丈夫かな…”って思ったくらい。でも、アベンジャーズみたいに、それぞれが違う力を持ち寄っているからこそ、まだ見たことのない景色を一緒に作れるんじゃないかって思えました。私は今、その“チームの中の自分”を見つけている最中です。まだまだこれから。でも、いつかちゃんとLaynにとって必要な存在になれるように、自分らしく向き合っていきたいです。」
──その中で美神さんはどんな役割をこなそうとしていますか?
「身長が165cmと少し高めで、重めのぱっつん前髪に黒髪ロング…令和のアイドルの中ではちょっと珍しいビジュアルかもしれません。そういう第一印象で目に留めていただくことが多くて、TikTokやSNSでもフォロワーさんや再生数が少しずつ伸びてきているのは、自分の中にある“美意識”を作品として形にして、それがどこかで届いているのかな…と感じています。私の投稿をきっかけに、アイドルにあまり興味がなかった方がLaynを知ってくれたり、自分のファッションに関心を持ってもらえたりすることがあって。だからこそ、自分の感性や表現を通して、少しずつLaynの扉を開く役割ができたらうれしいなと思っています。」
──1年後の理想像ってありますか?
「Laynに入れていただいたとき、“SNSでの広がり”を期待されているのかなって思いました。だからこそ、まずはTikTokのフォロワーを5万人、10万人と伸ばして、もっと多くの人に届く存在になれたら…と考えています。でも、ただ有名になりたいわけじゃなくて。私は、自分が受け取ってきた“救い”を、今度は誰かに手渡せる人になりたい。人生の中で、出口のない夜のような時間が続いたとしても――その中に、美しいものはちゃんと存在していることを、伝えられる人でありたいんです。音楽には、その想いを乗せて届けられる力がある。だから私はアイドルという道を選びました。この活動を通して、誰かの心に、小さな光をともせたらと思っています。」
──そういうことを思うようになったきっかけってなに?
「私、出身が熊本県なんです。誰も知らないような田舎で育ちました。
幼い頃からずっと、家庭のことや、自分自身のことで悩みが尽きなくて。何年も、心の中が暗い闇の中にいるみたいな感覚でした。それでも、“ただ苦しかった”で終わりたくなかったんです。このまま何も残せず消えてしまうくらいなら、せめて最後に、誰かの光になれるような生き方をしてみたくて――そう思って、ミスiDを受けたり、東京に出て、アイドルになったりしました。過去の痛みや孤独を、誰かの希望に変えることができたら、あの日の自分も少しは救われるのかなって。正直、生きることをやめたいと考えた日もたくさんありました。でも、そこで終わったら、“ただ辛いだけの人生だった人”になってしまう。だったら私は、最後にちゃんと光を届けて終わりたい。そういう人間でありたいし、そういうアイドルで在りたいと、今は思っています。」
──今のマイブームはなんですか?
「マイブームですよね。昔から、ずっと猫が好きで猫を毎日見ないと生きていけないんですよ。SNSとかで1日に100猫くらいは見る。マイブームというか、人生ですね。お迎えしたい気持ちはずっとあるんですけど、今はまだ環境的に難しくて…。それでも、いつかきっと、お迎えできる日がくると信じています。猫は、私の癒しであり、希望であり、人生です」
──最近メンバーに助けられたエピソードってありますか?
「本当に…助けられていない日はないですね。加入してすぐの頃、2ヶ月で16曲を覚える必要があって、ステージも次々あって…。その中で更にワンマンも1ヶ月で3回あるというハードスケジュールで、ひたすら走り続けていたんです。その反動なのか、ある日突然熱が出てしまって。10日ほど、お休みをいただくことになりました。その間、私の分のポジションを埋めてくれて、たくさんの負担をかけてしまったのに…復帰したとき、誰ひとり責めることもなく、笑顔で迎えてくれて。“ちゃんとここに帰ってきていいんだ”って、すごくホッとしたのを覚えています。あのときの安心感は、今でも支えになっています。」
──新体制を漢字2文字で表すなら
「『夜明(よあけ)』です。私はまだ加入してからそんなに時間は経ってないんですけど、Laynには本当にいい楽曲があって、先輩たちのパフォーマンス力もすごくて。私自身はまだまだですが、個性的な新メンバーも加わって、チームとしてのバランスもどんどん良くなってきていて…。だから、売れない理由なんてないって思ってるんですよ。こんなに強くて魅力的なグループ、もっとたくさんの人に届いてほしいって本気で思う。みんなきっと、それぞれに報われなかった経験とか、悔しい思いを抱えてここに集まってる気がしてて。それでも諦めずに立ち上がって、今ここから登っていこうとしてる。その感じが、夜の中に立ってて、でも向こうに朝が見えはじめてる──そんな雰囲気にすごく重なって。だから、“夜明”。このグループは、ここからちゃんと光を見に行くチームだと信じています。」